ワークショップでの活用事例 その2
公園実施設計のワークショップ(佐賀市巨勢公園)
●VRによる基本設計案の疑似体験から始める
基本計画のワークショップでは主にどのような施設を取り入れるか、その配置をどのようにするかが問題となるが、実施設計のワークショップになると、空間構成や細かなデザインが問題となる。当然デザインはこちらで行うが、市民には決定に参加したという意識を持っていただかなくてはならない。そのためにも、参加者に意見を求める事が必要だ。そこで、第1回は意見が出やすいようにVRによって基本計画における空間やデザインを説明することから始める。基本計画を基に作成したVRで駐車場からエントランスに進み、公園を一周して公園散策の疑似体験してもらう。おそらく、参加者はどのような公園が出来るかを初めて理解する事になる。
●多くの意見、様々なバリエーションに対応可能なVR
疑似体験のあとに気になるところや変更したいことを出してもらう。VRで提示するとわかりやすいだけに様々な意見が出てくる。しかし、それがワークショップの本質である。わかりやすく情報を提供し、たくさんの意見を引き出す事が重要である。第2回では前回に出た意見をすべてVRにして提示する。出た意見すべてに対応したVRのパーツを準備しておく。それとともに、各ファニチャーなども実施レベルでデザインされた物を準備する。これらを準備しておいて、意見の分かれたところはいくつかのバリエーションを提示して一つずつ検討していく。わかりやすいだけに参加者の決定は早い。おそらく、現実にできるものがイメージできるだけに、安心感があり、決定するのにも迷いが生じなくなるのではないか。結局、第2回でおおよその意見がまとまり、第3回は最終案をVRで確認するとともに、公園の活用方法や維持管理への参加等についての検討を行った。参加の皆さんには大変満足していただき、最後は拍手をいただき、3回のワークショップは終了した。その後の実施設計もほぼVRの通りに仕上げ、業務を完了した。
ワークショップで用意したパーツ
巨勢公園の最終VR
- 実施設計でVRを使うメリット
- ■たくさんの意見を引き出すことが出来る。
- ■多くのパターンの意見に対応可能な情報提供ツールである。
- ■参加者に安心感を与え、早い決定を促す。
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